貸してくださいっていわれても
2022.10.01
[ハライソのこと]
こんな店をしていると展示やイベントに貸して欲しいと言われることがたまにあります。
オープン当初にかなり多かったです。
多分オープンしたての店は、変なひとたちに狙われやすいのだと思います。
当時はあまりに失礼な人々の勝手な言い分に呆れていたのですが、今思い返すと結構笑えるので少し書いておこうと思います。
まずはオープン直後の2階の一室を土日だけ占いに貸してくれという人。
なぜ完成したてのきれいな部屋を見ず知らずの人に土日だけ都合よく使わせると思うのでしょうか。占い大嫌いだし速攻断りました。
つぎは作品も持たずにきて写真展したいという人。
ホームページはありますが、そこに写真は載せていません!とすごく自信ありげに言われました。作品もみれないし、意味がよくわからなかったです。
つぎは英会話のランチ会させてくださいという人。
飲食代さえ払えば大勢で長時間居座って英会話のレッスンしていいんでしょ?という感じでした。常識のないアレな人だと察したので刺激しないようやんわり断りましたが理解できてないようでした。見かねたお友だちが話し続けるその人の手を引いて連れて帰ってくれました。
つぎはこの店で展示させてくれませんか、どこのギャラリーも高くって…と言ってきた人。
なぜ赤の他人なのに安く貸してもらえると思ったのでしょうか。うちも高いですよとお答えしました。
中崎町で展示をしたくていろいろ見て回った結果この店が一番私たちの作品に合うから展示販売をさせてくれという上から目線の人。
店のイメージがあるので、きちんとした方の展示しかしたくないんです。とお答えすると、それは大事よね、私たち長く活動しているしきちんとしているわよと最後まで上から目線でした。
次、一番おもしろいのが
プロの古典芸能の人
勉強会がしたいから貸して欲しいとのことでした。
少し興味を持ったので、勉強会ってどんなのですか?とたずねたら初めてするからまだなにも決まっていない、裾野を広げるために何人かファンを集めてイベントをしたいとのことでした。
何をするのか、何人集めるのか、入場料はとるのか、何時間使いたいのかわからないと判断しようがないから、具体的にイベントの内容をつめてきてください、それから後日お話しましょうとお伝えしました。
すると、出演者だけ決めてやってきました。
仕方ないから話をしたのだけど、具体的に何がしたいのかまったくわかりません。とりあえず土曜か日曜日にオープン前の9時から12時まで使わせて欲しいとのことで、どうやら営業してない時間帯だから安く貸りれると思っているようでした。
営業してないからどうせ空いてるんでしょうと薄ら笑いしながら言われました。
開店前は仕込みと開店準備で営業中より忙しい(土日は特に)というのが全く分かってないようでした。
いくら出すつもりなのか聞いたらうちの一階全フロア3時間で5千円とのことでした。この広さで5千円って相場やったら15分の値段やでと、あきれて返答できずにいると
でもイベント後に観客がそのままごはん食べていくかもしれないからいいでしょと言うのです。
あまりにも常識がないからどうやって断ろうかなあと思っているとダメ押しで言われたのが
僕たちみんなノーギャラなんです!
です。
もうこれ以上は無理だと思ったのでお引き取り願いました。
後日お会いした時、今後僕たちどこかで同じようなイベント開催するかもしれないけど、気にしないでくださいと言われました。
全く気にしていないので安心してください。
連れてきた先輩とやらも態度悪かったし関わらなくて本当によかったです。
店をしていると想像を超える出来事がたくさん起こります。
私かなり強くなりました。
貸して欲しいと今もたまに言われるのですが、貸しはしていないんです。
展示などをする時は私が好きな人にこちらからお願いする場合がほとんどです。
ハリウッド映画の撮影に貸した時には相当ひどい目にあったのですが、それはまた次回に。
ハライソ店名の由来
2022.09.01
[ハライソのこと]
店名の由来をたまにたずねられます(なんでそんなこと知りたがるのでしょうかね)
細野さんですかとよく聞かれるのですが、細野さんではないですと答えるとがっかりされてなんだか申し訳ない気持ちになります。
話すと長いので簡単にポルトガル語のparaisoからですとお答えしています。(これは本当です)
その話すと長いことを書いておきます
大学を出て就職した頃の話です。
上司と取引先の社長がもし独立したら屋号はどうするか話していました。
上司はすでに決めていたみたいですぐに〇〇にする、と答えていました。
取引先のすごく背が高いスマートなジャマイカ人社長は私に「君の屋号はサイレントスタッフにしたらいいよ」とふってきました。
そのころ私はほとんど話さない人間だったのでジャマイカ人は私のことを感動の気持ちを込めてサイレントスタッフと呼んでいました。
多分ジャマイカ人のまわりの大阪人はみんなうるさかったのでしょう。
将来何かするとしたら屋号は「ハライソ」にしようとその時思ったのですが、サイレントスタッフなので、もちろん上司にもジャマイカ人にも話しませんでした。
そこを辞めて何年か経ったある日、上司があの日教えてくれたのと同じ名前の店を見つけました。
私はその店に入れませんでした。
大学出たてで世間知らずで失礼なことをさんざん上司にした記憶がよみがえり合わせる顔がなかったからです。
それからまた何年も経ち、いろいろあって全くする予定のなかった飲食店を開くこととなり、店名をあの日に思いついたハライソにしたのです。
レジ前でする立ち話のボリュームではないでしょう。
実はハライソ飽きてきたからそろそろ変えようかしらと思っています。
そして上司の店には未だに行けていません。